「障害の制度を調べたいけれど、何から見ればいいのか分からない」
そう感じる人も多いのではないでしょうか。
障害者手帳、特別障害者手当、障害年金、就労移行支援、A型・B型。
名前は似ていますが、それぞれ目的・条件・相談先が違います。
たとえば、障害者手帳を持っているから、障害年金も自動的にもらえるわけではありません。
反対に、手帳がなくても、障害年金や障害福祉サービスの対象になることがあります。
でも、最初から全部の制度を覚える必要はありません。
まずは、「自分の場合は何が使えそうか」を、市区町村の障害福祉窓口や年金事務所で確認すればOKですぞ。
おじ「手帳・手当・年金……名前だけで頭がパンクしますな」
ねこ「役割ごとに分けると、だいぶ見やすくなりますぞ」
この記事では、障害のある人や家族が知っておきたい制度を、対象・お金・相談先にしぼって整理します。
✅この記事でわかること
この記事では、次の内容を整理します。
✅ 障害者手帳・手当・障害年金の違い
✅ それぞれの対象・金額・相談先
✅ 就労移行・A型・B型の違い
✅ 就労支援の利用料と利用の流れ
✅ 今日からできること
制度を全部覚えるためではなく、最初の相談先を見つけるための記事ですぞ。
✅先に結論|障害の制度は4つに分けて考える
障害の制度は、次のように分けると整理しやすくなります。
支援やサービスにつながる証明書
→ 障害者手帳
在宅で常に特別な介護が必要な人への手当
→ 特別障害者手当
病気やけがで生活・仕事が制限された人の収入支援
→ 障害年金
自分に合った働き方を探す支援
→ 就労移行支援・A型・B型・就労選択支援
相談先が分からないときは、まず市区町村の障害福祉窓口へ。
障害年金は、年金事務所や街角の年金相談センターが入口です。
ねこ「全部を一度に申請するのではなく、関係しそうな制度から確認すればOKですぞ」
🏢障害福祉窓口|制度が分からないときの相談先
市区町村には、障害のある人や家族が相談できる窓口があります。
自治体によって、
✅ 障害福祉課
✅ 障害支援課
✅ 福祉事務所
✅ 基幹相談支援センター
など、名前が違うことがあります。
相談できること
障害福祉窓口では、主に次のような相談ができます。
✅ 障害者手帳を申請できそうか
✅ 特別障害者手当の対象になりそうか
✅ ヘルパーなどの福祉サービスを使いたい
✅ 就労移行・A型・B型について聞きたい
✅ 相談支援専門員を紹介してほしい
✅ どの制度を使えるか分からない
制度名が分からなくても、
「病気や障害で生活が大変なので、使える制度を相談したいです」
と伝えれば大丈夫です。
障害年金については、年金事務所や街角の年金相談センターへ相談します。
ねこ「制度名より、“生活や仕事で何に困っているか”を1つ伝えるのが大事ですぞ」
🪪障害者手帳|支援やサービスにつながる証明書
障害者手帳は、障害の状態を証明し、生活や仕事の支援につなげるものです。
障害者手帳には、次の3種類があります。
身体障害者手帳
視覚、聴覚、肢体、心臓や腎臓などの内部機能に、一定以上の障害がある人が対象です。
療育手帳
児童相談所や知的障害者更生相談所などで、知的障害があると判定された人が対象です。
自治体によって、手帳の名前や等級の表し方が異なることがあります。
精神障害者保健福祉手帳
一定程度の精神障害があり、日常生活や社会生活に制限がある人が対象です。
厚生労働省では、身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳の3つを、障害者手帳の総称として案内しています。
手帳で受けられる支援の例
手帳の種類や等級、自治体、事業者によって、次のような支援につながることがあります。
✅ 所得税・住民税などの障害者控除
✅ 交通機関や施設の割引
✅ 自治体独自の医療費助成や手当
✅ 障害者雇用枠での就職
✅ 障害の状態や必要な配慮を説明するときの資料
利用できる支援は地域などによって違うため、「市区町村名+障害者手帳+サービス」で確認しましょう。
なお、職場の合理的配慮は、障害者手帳を持っている人だけに限られません。手帳がなくても、障害の状態や必要性に応じて対象になることがあります。
申請するときの注意
申請の入口は、市区町村の障害福祉窓口です。
手帳の種類によって、診断書、意見書、写真などが必要になります。
身体障害者手帳では、指定を受けた医師の診断書が必要になることがあります。
先に診断書を用意すると、医師や様式が違って使えないこともあります。
病院へ依頼する前に、窓口で必要書類を確認しましょう。
手帳と障害年金は別制度
障害者手帳と障害年金は、目的も判定基準も違います。
そのため、
✅ 手帳だけ
✅ 障害年金だけ
✅ 両方
というケースがあります。
手帳の等級と障害年金の等級も、同じになるとは限りません。
💰特別障害者手当|在宅で重い障害がある人への手当
特別障害者手当は、精神または身体に著しく重い障害があり、日常生活で常に特別な介護を必要とする人を支える制度です。
対象の目安
主な条件は次のとおりです。
✅ 20歳以上
✅ 在宅で生活している
✅ 日常生活で常に特別な介護が必要
✅ 本人・配偶者・扶養義務者の所得が基準内
障害者手帳の有無や等級だけで決まる制度ではありません。
障害の状態や、日常生活でどのような介護が必要かなどから判断されます。
2026年度の支給額
2026年4月分から、月額3万450円です。
原則として、2月・5月・8月・11月に、それぞれ前月分までが支給されます。
⚠️施設入所・長期入院の注意
次の場合は、特別障害者手当の対象外になります。
✅ 対象となる障害者支援施設や老人福祉施設などへ入所している
✅ 病院・診療所・介護老人保健施設への入院や入所が、継続して3か月を超えている
施設の種類によって扱いが異なるため、入所や長期入院が決まったときは、市区町村の障害福祉窓口へ確認しましょう。
20歳未満は別の手当
20歳未満で、日常生活に常時介護が必要な重い障害がある場合は、障害児福祉手当の対象になることがあります。
2026年4月分からの支給額は月額1万6,560円です。
申請先は、市区町村の障害福祉窓口です。
診断書を用意する前に、対象の目安と必要書類を確認しましょう。
💴障害年金|生活や仕事が制限されたときの収入支援
障害年金は、病気やけがによって生活や仕事が制限されるようになった場合に受け取れる公的年金です。
高齢者だけの制度ではなく、要件を満たせば現役世代も対象になります。
障害者手帳とは別制度なので、手帳がなくても対象になることがあります。
障害年金の種類
障害年金には、主に次の2種類があります。
障害基礎年金
初診日に国民年金へ加入していた人や、20歳前に初診日がある人などが対象です。等級は1級・2級です。
障害厚生年金
初診日に厚生年金へ加入していた人が対象です。等級は1級・2級・3級があり、一定の状態では障害手当金の対象になることもあります。
どちらになるかは、原則として病気やけがで初めて医師などの診療を受けた日に加入していた年金制度で決まります。
主な確認ポイント
障害年金では、主に次の3つを確認します。
- 初診日が要件を満たしているか
- 年金保険料の納付要件を満たしているか
- 障害認定日や請求時点で、一定の障害状態にあるか
病名だけで決まるのではなく、日常生活や仕事がどのくらい制限されているかも重要です。
2026年度の障害基礎年金額
昭和31年4月2日以後生まれの人の場合、2026年度の年額は次のとおりです。
✅ 1級:105万9,125円+子の加算
✅ 2級:84万7,300円+子の加算
障害厚生年金は、過去の給与や加入期間などによって金額が変わります。
働いていても対象になることがある
働いているだけで、一律に対象外になるわけではありません。
特に精神障害・知的障害・発達障害などの審査では、
✅ 仕事内容
✅ 勤務時間や勤務日数
✅ 職場で受けている配慮や援助
✅ 他の従業員との意思疎通
✅ 仕事以外の日常生活の状態
なども含めて判断されます。
援助や配慮があることで働けている場合は、その内容も重要です。
ただし、障害の種類や状態、働き方によって審査は異なります。
現在の生活・仕事の状況を整理して、年金事務所で確認しましょう。
※20歳前に初診日がある障害基礎年金には、本人の所得による支給制限があります。
相談・請求の流れ
障害年金の流れは、ざっくり次のとおりです。
- 最初に受診した病院と時期を確認する
- 年金事務所などへ相談する
- 診断書や初診日を証明する書類を集める
- 年金請求書を提出する
- 審査後、結果が通知される
初診日が古いと、病院にカルテが残っていないことがあります。
診察券、お薬手帳、紹介状、健康診断の記録などが参考になることもあるため、受診歴は早めに整理しておきましょう。
主な相談先
✅ 年金事務所
✅ 街角の年金相談センター
✅ ねんきんダイヤル
✅ 市区町村の国民年金窓口
社会保険労務士へ相談する方法もありますが、有料相談や成功報酬が必要になることがあります。
まずは、公的な窓口で受給要件と必要書類を確認するのがおすすめですぞ。
💼障害者就労支援|自分に合った働き方を探す制度
障害や病気があり、一般企業で働くことに不安がある人には、就労を支える障害福祉サービスがあります。
就労移行支援
一般企業への就職を目指す人が、仕事の練習、職場実習、就職活動、就職後の定着支援などを受けるサービスです。
就労継続支援A型
一般企業で働くことが難しい人が、支援を受けながら事業所と雇用契約を結んで働くサービスです。
雇用契約に基づいて働き、賃金が支払われます。
就労継続支援B型
雇用契約を結んで働くことが難しい人が、体調や生活のペースに合わせて作業するサービスです。
雇用契約はなく、作業に応じた工賃が支払われます。
A型・B型ともに、仕事内容、勤務時間、給料や工賃は事業所によって違います。
就労選択支援
就労選択支援は、2025年10月に始まった障害福祉サービスです。
作業体験や面談などを通して、
✅ 希望する働き方
✅ 得意なこと・苦手なこと
✅ 働くために必要な配慮
✅ 合いそうな仕事や支援
を本人と支援者が一緒に整理します。
「一般就労・A型・B型のどれが合うか分からない」というときに、働き方を考える入口になります。
2025年10月以降、新たにB型を利用する場合は、原則として利用前に就労選択支援を利用します。
ただし、年齢や障害年金の受給状況、就労経験、地域の事業所体制などによって例外があります。
手帳がなくても利用できることがある
就労移行・A型・B型などは、障害者手帳がなくても利用できることがあります。
市区町村へ申請し、本人の心身の状態や生活状況、利用希望、就労に関する評価などを踏まえて支給が決まると、障害福祉サービス受給者証が交付されます。
受給者証は先に持っているものではなく、申請と支給決定のあとに交付されるものです。
対象となる難病では、手帳がなくても診断書などを使って申請できることが、厚生労働省から案内されています。
💰利用料の目安
障害福祉サービスの自己負担は原則1割ですが、所得に応じた月額上限があります。
主な上限額は次のとおりです。
✅ 生活保護受給世帯:0円
✅ 市町村民税非課税世帯:0円
✅ 一定所得未満の課税世帯:9,300円
✅ それ以外の世帯:3万7,200円
18歳以上の場合、所得を判断する世帯は、原則として本人と配偶者です。
食費、交通費、材料費などが別に必要になることもあるため、見学時に確認しましょう。
主な相談先
就労については、次の窓口へ相談できます。
✅ 市区町村の障害福祉窓口
✅ 相談支援専門員
✅ ハローワークの障害者専門窓口
✅ 地域障害者職業センター
地域障害者職業センターでは、職業能力や適性の評価、就職前の準備、ジョブコーチによる職場適応支援などを行っています。
仕事の紹介は、主にハローワークが担当します。
事業所は見学してから決める
同じA型・B型でも、仕事内容、通所時間、職員の支援、給料や工賃、雰囲気は違います。
見学では、次の点を確認しましょう。
✅ 無理なく通えそうか
✅ 仕事内容が合いそうか
✅ 休んだときの対応
✅ 給料や工賃
✅ 利用料以外にかかる費用
✅ 職員へ相談しやすいか
制度名だけで選ばず、実際に通う場所を見てから決めるのがおすすめですぞ。
📝今日やることリスト|まずは1つだけでOK
今日やるなら、全部ではなく1つで大丈夫です。
✅ 「市区町村名+障害福祉窓口」で検索する
✅ 生活や仕事で困っていることを1つ書く
✅ 最初に受診した病院と時期を確認する
✅ 診察券やお薬手帳を1か所にまとめる
✅ 気になる就労支援事業所を1か所だけ調べる
問い合わせるときは、
「病気や障害で生活が大変なので、使える制度を相談したいです」
と伝えれば大丈夫です。
完璧な説明はいりません。
困っていることを1つ伝えるだけでも、ちゃんと前進ですぞ。
❓FAQ|障害の制度でよくある質問5つ
Q1.障害者手帳と障害年金は、両方使えますか?
A.はい。障害者手帳と障害年金は別の制度なので、手帳だけ・障害年金だけ・両方という人がいます。
手帳があっても、障害年金が自動的にもらえるわけではありません。
Q2.働いていても、障害年金をもらえますか?
A.働いているだけで、一律に対象外にはなりません。
仕事内容や勤務時間、職場の配慮、日常生活や障害の状態などから判断されます。
Q3.就労移行・A型・B型は、どう選べばいいですか?
A.大まかな目安は次のとおりです。
✅ 一般企業への就職を目指すなら就労移行支援
✅ 雇用契約を結んで働くならA型
✅ 体調やペースを優先するならB型
事業所によって内容が違うため、見学や体験をしてから決めましょう。
Q4.障害者手帳がなくても、就労支援を使えますか?
A.手帳がなくても利用できることがあります。
市区町村へ申請し、支援の必要性が認められると、障害福祉サービス受給者証が交付されます。
Q5.障害者手帳を取るデメリットはありますか?
A.手帳を持っているだけで、勤務先や周囲に自動的に知られるわけではありません。
ただし、障害者雇用、職場での配慮、年末調整の障害者控除などで手帳を使う場合は、勤務先へ伝えることがあります。
診断書代や更新の手間もありますが、税金の控除、割引、就労・福祉支援につながるメリットもあります。
✅まとめ|手帳・手当・年金・就労支援は別々に確認する
障害の制度は、目的ごとに分けて考えると分かりやすくなります。
支援やサービスにつなげる
→ 障害者手帳
在宅で重い障害がある人への手当
→ 特別障害者手当
生活や仕事が制限されたときの収入支援
→ 障害年金
自分に合った働き方を探す
→ 就労移行・A型・B型・就労選択支援
手帳があるかどうかだけで、すべての制度が決まるわけではありません。
制度ごとに対象や申請先が違うため、迷ったら市区町村の障害福祉窓口や年金事務所へ相談してOKです。
ねこ「制度は、がんばり続けるためではなく、がんばりすぎないための守りですぞ」
今日、全部の申請をする必要はありません。
まずは、住んでいる地域の障害福祉窓口を調べる。
または、生活や仕事でいちばん困っていることを1つだけ書く。
それだけでも、制度につながるための大切な一歩ですぞ。
📚 記事はnoteでも読めますぞ!
X(旧Twitter)でもつぶやき中ですぞ!
またね ノシノシ
📌 本記事は、2026年7月時点の情報をもとに作成しています。制度の対象、金額、必要書類、所得制限、利用できるサービスは、本人の状態や自治体によって異なることがあります。最新情報は、市区町村、年金事務所、厚生労働省、日本年金機構などの公式案内でご確認くださいませ。
🐾 固定費の見直しも気になる方へ
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